「本来の仕事に集中したいのに、
雑務ばかりで一日が終わる」

こうした状況が続くと、
人は少しずつ仕事への意欲を
失っていきます。

雑務そのものが悪いわけでは
ありません。

どんな業務にも必要な補助作業があり、
それは組織を支える重要な役割です。

しかし問題なのは、
「本質的な仕事に使う時間が
確保できない」ほどに
雑務が過剰に積み重なることです。

人は、自分の能力が活かされていると
感じられるとき、
最も高いモチベーションを
維持できます。

逆に、単調で意味の見えづらい作業に
多くの時間を取られると、
「自分でなくてもいいのでは」
という無力感が生まれます。

これは一種の承認喪失状態であり、
「このままで良いのか」
という違和感につながります。

さらに厄介なのは、雑務が多い職場ほど
「分担」や「仕組み化」が
なされていないという点です。

結果として、できる人に仕事が集中し、
真面目に働く人ほど負担が増していきます。

そして心身が削られ、最終的に
「辞めたい」
という感情が芽生えるのです。

この状況に対処するには、まず、
「雑務の中にある無駄」
を明確にすることが必要です。

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・誰でもできる作業
・やらなくても困らない仕事
・自動化できるルーティン

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こうした項目を見直すだけでも、
時間の質は大きく改善します。

もう一つの鍵は、
「役割の再定義」です。

単なる作業担当ではなく、
「この業務をどう改善できるか」
「どんな形で仕組みに変えられるか」
といった視点を持つことで、

雑務が価値ある仕事に
転換されることもあります。

そして何より重要なのは、
「雑務が多いから辞める」のではなく、
「自分の力が活きる環境を選び直す」こと。

自分の時間と脳を
“何に使いたいか”を明確にすれば、
転職や部署異動の判断も
しやすくなります。

雑務に追われて辞めたくなるのは、
怠けでも逃げでもありません。

それは、
「もっと本質的に働きたい」
という健全な欲求です。

人生の時間は限られています。

だからこそ、
自分が最も価値を発揮できる場所に、
意識的にシフトしていくことが、
働く意味を取り戻す第一歩です。