「この仕事を続けていて、
どんな未来があるのか分からない」
そんな感覚に包まれたとき、
人は無意識に“離れたい”という選択肢を
探し始めます。
決して今の仕事が嫌いなわけではない。
明確な不満もない。
しかし、“続けた先に希望がない”という感覚は、
じわじわとモチベーションを奪っていきます。
これは怠けではなく、
“目的のない努力”に対する
自然な違和感です。
人は、本能的に
「この先に意味がある」と思えなければ、
エネルギーを注ぎ続けることができません。
逆に言えば、未来が見える仕事なら、
多少の苦労や負荷も“耐える理由”になります。
問題は、その未来を誰かが
提示してくれるわけではないということです。
与えられたタスクをこなすだけの構造では、
本人が未来を描くきっかけを持てません。
そしてその空白が続くほど、
「辞めるしかないのでは」
という発想に行き着いてしまいます。
ここで重要なのは、
「このままで本当に将来につながるのか?」
という問いを、自分で持てているかどうかです。
将来が見えないのではなく、
「設計できていない」だけ
かもしれません。
たとえば、今の仕事を3年続けたら、
どんなスキルが手に入り、
どんな環境に進めるかを言語化できるだけでも、
状況の見え方は一変します。
また、将来が見えないという感覚は、
“今の仕事が世界のすべてに見えている”時にも
強まります。
視野を少し広げれば、今の経験を活かせる
別の業界、別の働き方が見えてくることも
少なくありません。
だからこそ、思考のスケールを
広げることが鍵になります。
将来が見えない仕事を続けることは、
自分の時間とエネルギーを
無目的に投じ続けるという意味で、
最も大きなコストを払っている状態です。
だからこそ、「辞めたい」と感じたときは、
単なる逃避ではなく、
“設計し直す機会”として
受け取るのが最適です。
未来は、見えるから安心なのではなく、
「自分でつくれる」と思えるから
前に進めるのです。
たとえ今は見えなくても、
その感覚を取り戻せた瞬間から、
すでに次のキャリアは始まっています。