「数字を追い続ける毎日に疲れた」
「今月も未達だと叱責される」
そうしたプレッシャーが続くと、
仕事そのものに対する意欲が
薄れていきます。
特に営業職や販売職など、
売上ノルマが課される現場では、
心の余白がなくなる感覚に
陥りやすくなります。
ノルマとは、本来目標であり、
成長の道しるべです。
しかし、その運用次第では、
人の尊厳を削る
「罰の基準」にもなりかねません。
数字が人間性の評価と
直結するような組織構造では、
成果を出しても安堵は一瞬で終わり、
また次の不安が始まります。
このサイクルの中で、
最も奪われやすいのは
「内発的な動機」です。
つまり、
「誰かに強制されたからやる」
という状態が続くと、
本来自分の中にあった好奇心や達成感が
機能しなくなっていきます。
やがて、
売上のための仕事ではなく、
売上“だけ”の仕事に変質してしまいます。
一方で、
売上目標が全否定されるべきものかといえば、
そうではありません。
むしろ、自ら目標を設定し、
それに向かって工夫する自由が
与えられている環境では、
ノルマは成長の燃料になります。
問題は、
「数字に追われるのか」
「数字を使って進化するのか」
という立ち位置の違いにあります。
多くの人が辞めたいと感じるのは、
数字そのものではなく、
数字しか見ない上司、
評価の不透明さ、
そして人間関係の圧力です。
それは、
「成果=人格」
という不健全な思想が
背景にあるからです。
もし、今の職場が
そうした構造になっているならば、
それは個人の努力で変えられる
範囲を超えているかもしれません。
その場合、
「辞めたい」という感情は、
単なる逃避ではなく、
正常な防衛反応です。
市場には、成果を見つつも
過程や人間性を尊重する企業も
数多く存在します。
特に最近は、長期的な関係性や
クライアントへの貢献を重視する風土に
シフトしている会社も増えています。
こうした環境に出会うことで、
「仕事=苦しみ」
という前提は簡単に覆ります。
プレッシャーに耐えることが
美徳とされる時代は
終わりつつあります。
本質的な成果とは、
恐怖ではなく意志によって
生まれるものです。
だからこそ、
いま感じている重圧をきっかけに、
自分の働き方を
再構築する視点が必要です。