「寝ても疲れが取れない」
「常に頭がぼんやりしている」
そんな状態が続くと、
仕事への意欲は確実に下がっていきます。
睡眠は、単なる休息ではなく、
“思考力・感情・判断・行動”の
すべての基盤です。
その時間が慢性的に不足している状態では、
パフォーマンスが落ちるのは当然であり、
本人の意思や根性とはまったく別の
次元の問題です。
ところが、現代の多くの職場では、
「頑張っている人=寝る間を惜しんで
働いている人」という古い価値観が
残っています。
その結果、
「眠れていないのに、
仕事はどんどん積み上がる」
という構造が生まれ、
心身が限界に近づいても、
それを正当化してしまうという
悪循環が続きます。
この状態が長引くと、
いずれ「もう辞めたい」という感情が
表に出てくるのは、自然な防衛反応です。
むしろ、それは
「これ以上は持たない」という
身体からの正直なメッセージでもあります。
睡眠不足で仕事を辞めたいと感じたとき、
大切なのは「もっと頑張る」ことではなく、
「構造を変える」ことです。
勤務時間、タスク量、通勤時間、
生活リズム、人間関係。
そのどこかに“回復を妨げる原因”があり、
それを根本から見直さなければ、
状況は変わりません。
まず可能であれば、勤務時間の調整や
業務分担の見直しを上司と相談すること。
また、業務外の時間を奪っている
スマホ依存や情報過多も、
睡眠の質を大きく左右します。
小さな習慣改善で、
回復力は想像以上に戻ってくるものです。
それでも構造が変えられない、
あるいは改善に応じない環境であるなら、
「辞める」という選択は
十分に合理的です。
なぜなら、“働く”という行為は
“生きる”という土台があって
初めて成立するからです。
睡眠を犠牲にしてまで維持する仕事は、
どんなに条件が良くても長続きしません。
逆に、睡眠が整っている状態では、
すべての判断や行動が
本来の力を発揮します。
辞めたいと思ったときこそ、
「自分の人生に回復力を取り戻す」
という視点で働き方を
再設計するタイミングです。
実はちゃんと夜に眠れるかどうかが、
その職場の健全性を測る
最もシンプルな指標だったりします。