「休んでいるはずなのに、
頭は仕事のことでいっぱい」

「休日も、メールやチャットに
反応しないと落ち着かない」

そんな状態が続くと、
心身は徐々にすり減り、
「もう辞めたい」という思いが
静かに積もっていきます。

リモートワークの普及や、
即時返信が求められる文化が定着する中で、
オンとオフの境界線が曖昧になった働き方が
当たり前になりつつあります。

便利で柔軟に見える反面、
実は“常に緊張状態が続く構造”が生まれており、
多くの人が気づかぬうちに疲労を蓄積しています。

本来、回復とは「完全に思考と感情を
仕事から切り離すこと」で初めて成り立ちます。

どこかで気を張り続けたままの休息は、
“休んでいるようで回復していない”状態を生み出し、

やがて判断力や創造力、
さらには自己肯定感まで奪っていきます。

そして何より、
「自分の時間が自分のものではない」
という感覚は、深い無力感と
“奪われている感覚”につながります。

この状態が長引けば、
「何のために働いているのか分からない」
「この生活を続けるのはもう無理だ」
と感じ始めるのは自然な流れです。

この状況を変えるために必要なのは、
「物理的な変化」ではなく、
「主導権の再設計」です。

たとえば、

・通知を切る時間帯を決める
・仕事用デバイスを完全に分ける
・“自分ルール”で反応しない領域を明確にする

たったこれだけのことで、
意識は驚くほど回復し、
感情にも余白が生まれます。

また、職場の文化自体が
「いつでも繋がっていること=貢献」
といった空気で成り立っている場合、
その環境に疑問を持つことも必要です。

持続可能な働き方とは、
“いつでも対応できる人”ではなく、
“整った状態で最良の判断ができる人”
であるべきです。

オンとオフの境目がなくなった結果、
辞めたいと感じるのは、
自分を守るための健全なブレーキです。

だからこそ、
“反応するための仕事”から
“主体的に意味づける仕事”へと
シフトすることが、次の一歩になります。

人生は24時間しかありません。

そのすべてが
「仕事っぽい時間」になってしまう前に、
自分の時間を“奪われない構造”に変えることが、
未来の充実を左右します。